【2025/5/13(火)活動報告@そんぽの家 なんば(大阪)】
「他の人はハグしてくれないの」
と、始まる随分前から来られて、両手でアブラッソで迎えて下さったご利用者様。
セラピーにいつもいらっしゃる方々の間では、アブラッソ、ハグして挨拶するのが当たり前になってきているので、施設内の日常で身体的な介助を必要とされない彼女にとっては、誰かと身体で触れ合う機会は、この月1のセラピーしかなかったのかもしれません。
香奈です。
今回もリーダー三人が揃い、前回に引き続き、新セラピストの美樹さんと看護師のはるさん、ハンズオンからさえさんが参加して下さいました。
始まる前のランチミーティングで、たまたまメンバーがみんな介護職経験者で、身体に触れてオキシトシン、幸福ホルモンを出す大切さと、介護とタンゴのダンスの共通点、そして、タンゴセラピーは介護で身体に触れる以上に、人と人、心と心の繋がる深い関係を体感できる有効、かつ関わる双方に幸福感をもたらす素晴らしい経験だと話していたとところだったので、冒頭のご利用様は、正にそれを体現して下さいました。
今回は馴染みの参加者様に加え、息子さん夫婦に連れられてきた新しいご利用者様が見に来られたので、お誘いして、ご家族皆さんで参加して頂きました。
最初にハグについてお聞きした時は、もちろん他人とのハグはちょっと無理かもとおっしゃられていました。さて、その後、どうなったでしょう?
アブラッソでの挨拶の後、まずはひとみさんのストレッチから。
上半身だけでなく、転倒予防の足あげや足首も丁寧に、そしてみんなで「タ、ン、ゴ」と一緒に声を出したり、顔マッサージまでしたので、皆さん終わる頃には笑顔が溢れ、身体も心も暖かくなって、ほぐれていました。
そして、私の手タンゴは、みんな聴いたことのある「クンパルシータ」に合わせて、自分の手で音楽を表現したり、手を繋いでみんなで一体感を感じながら動きました。新しく来られたご家族も、他人と手を繋ぎ、一緒にタンゴの曲に合わせて動いているうちに、すっかり場に馴染んでおられました。
リズムはヒロさん。いろんな違うリズムのパターンを練習でやった時点から、皆さん難なくどのリズムも刻むことができ、曲をかけてからも、全員でピタッと合わせることができました。
その後、身体の休憩を兼ねて、ドイツのコンチネンタルタンゴで、一昔前に日本で歌謡曲としてヒットした「小さな喫茶店」を一緒に歌いました。ご利用者様方が若い頃に流行っていたので、ご存知の方もいらっしゃいました。水分補給とともに、昔の喫茶店の話などのおしゃべりもしました。
ステップ担当のひとみさん、今日は座位でのステップのハードルを上げ、ダブルキックを導入。これも簡単に皆様にキックされてしまい、ますます私達も新たなチャレンジなステップを考えなければいけなくなりそうです。
立位では、タンゴの真髄である「深いアブラッソで、二人で一緒に感じて動く」を体感してもらえるように、アブラッソで左右に揺れる時間を作りました。
ここで、先の体験に来られたご利用者様が、息子さんとではなく、義理の娘さんとアブラッソで踊られていました。とても微笑ましい光景でした。
ダンスタイムは、踊りたい人がカベセオ、踊りたい相手を目で誘うところから始めました。だんだんセラピーの回が進む中、タンゴのダンスパーティのようになってきました。
最後はタンゴセラピー体操。決めのポーズは、フラメンコのように、「両手を片側の頭の横でパチンと叩く」、でした。もちろん、チームワークバッチリで、動きも、最後の音もパシッと決まりました。
最後にご利用者様達全員に感想を聞いたら、ヒロさんが1人のご婦人に「かわいこちゃん!」と言われる場面も。照れながら、嬉しそうでした。皆さんにとても楽しかったと言って頂け、次回もを楽しみにして下さるということでした。
最後のアブラッソでのお別れの挨拶の時に、新しく来られた方の息子さんに、お母様とアブラッソとしてみませんかとご提案させてもらいました。なぜなら、義理の母娘でずっと一緒に踊られていたので。もちろん、息子さん、恥ずかしがっておられたのですが、こういう場所ならハードル低く、もしかしたらこういうチャンスはもうないかも知れないと思ったので。
そしたら、息子さん、椅子から立ち上がって、お母様とアブラッソして下さいました。
お母様はとても嬉しそうで、何度も「ありがとう」と、おっしゃって下さいました。
今日初めて参加されたさえさんは、緊張して、利用者様にもそれが伝わるのではないかと心配したけれど、逆に優しく助けて貰えたそうです。セラピーの間、素敵な笑顔とアブラッソを届けて頂けて、大きなヘルプになりました。
日本では、まだまだアブラッソが普通の社会は実現しそうにないですが、タンゴセラピーでは、1時間でできてしまいます。
これを読まれてる皆さん、参加して、私達と一緒にアブラッソ体験してみませんか?
幸福ホルモン、オキシトシンで心が満たされることを保証します。
参加者
リーダー:
ヒロさん(進行)、ひとみさん、香奈
ボランティア:
美樹さん、ハルさん、さえさん
ご利用者様 9名、
施設のスタッフの方 3名
プログラム:
挨拶
ストレッチ ひとみさん
手タンゴ 香奈
リズム ヒロさん
給水タイム
歌「小さな喫茶店」ヒロさん
ステップ ひとみさん
ダンスタイム ひとみさん
タンゴセラピー体操 ヒロさん
感想/アブラッソと挨拶
次回は、6月28日土曜日午後2時からです
*日本タンゴセラピー協会は、リコー社会貢献クラブ「Free Will」様に応援していただいています!
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